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2024/04/20 09:58 |
マタイをもう一度。

Kitaraで「マタイ受難曲」を聞いてきた。
ゲヴァントハウス管弦楽団と聖トーマス教会合唱団で全曲演奏ということなので
一度は聞いておきたい、と思って出かけたのだが
始まってしばらくして、ん?以前にも聞いたことがある、
という既視感(既聴感?)が次第に明確になってきて、
まちがいない、同じKitaraで、おなじように少年合唱団で、
コンサートマスターのおじさん、失礼、年配の男性が
風体に似合わない甘美なバイオリンを奏でる意外さも全く同じで
以前聞いた位置まで思いだした。
確認できないのだが、何年か前にも同じ顔ぶれで来札しているのではないかしら。

私はよくあることなのだが、たとえばマヨネーズが切れそうだから
買っておかなくちゃ、と思うと、いったん刷り込んだ記憶がしばらく消えず
行く先々でマヨネーズを買い込み、3本くらい溜まったりする。
それと同じで(同じじゃないけど)、
「マタイ受難曲」をちゃんと聞きたい、という思いが
いつの頃からか、頭のどこかに染みついていて、
マタイ、と聞くと、行かなくちゃ、と思うらしい。

理由はよくわからないが、一つ思い当たるのは以下の小さなエピソードだ。
学生時代の弦楽仲間のOさんは、幼馴なじみのYさんと結婚したのだが
Yさんは、幼い娘3人を残して交通事故で亡くなった。
そのYさんが、マタイが大好きだった、という話を聞いたことがあって
これがどこかに残っているらしい。

で、先ほど話したコンサートマスターのおじさんにもどるけれど、
(ちなみに前回は、本当に苦虫をかみつぶしたようなヒゲのおじさんで
今回は、もう少し愛嬌のあるおじさんだったのだけれど)
このおじさんのソロバイオリンとアルトによる、えもいわれぬ甘美なアリアというのは
第39曲「憐れみたまえ、神よ、私の涙ゆえに」のことで
イエスの言葉どおり、三度、イエスを知らない、と言ってしまった
愛弟子ペトロの嘆きのうた。

ちなみに先日、チェンバロの明楽みゆきさんが企画した
「武満徹とバッハ」というコンサートのアンコールもこの曲だった。
武満はバッハが好きで、亡くなる直前までマタイを聞き続けていたという。

7~8歳から17~18才位までの少年合唱団がかわいらしい。
シーンに応じて、合唱団の一員が様々な役を演じるという演劇的な構成も
魅力的で面白い。

また今回初めて、パイプオルガンの下、通常客席に対面するPブロックで
演奏を聴いたが、思いがけない面白さで、やみつきになりそうだ。
なにしろ指揮者を正面から見る形になるのだから、
指揮を見て、自分が演奏する呼吸で聴くことができる。
そんなわけで、きょうは実に色々楽しいコンサートでありました。

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2008/03/03 01:08 | Comments(0) | TrackBack() | 未選択

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